卵の旨味についてその2

その1からの続きです。
 今回は卵本来の旨味についてです。

 ずばり結論から言いましょう。

 鶏が美味しい卵を産むには餌の中の動物性たんぱく質がどのくらいあるかがポイント。少ないと味気ないし、多いと生臭くなります。
 ちなみに卵を産むだけのことを考えると鶏に動物性たんぱく質を与えなくても大豆などの植物性たんぱく質を与えれば問題なく産みます。でも旨味にかんしては??です。

なぜなら、鶏ってもともと鳥類。鳥類は雑食性で穀物の他に昆虫やミミズ、魚なども食べますよね。自然の摂理で考えると子孫を残すためには雑食であることが必要だから食べるのです。
 では、逆に考えるとこういった動物性たんぱく質を食べないとどうなるでしょうか?
 本来必要な栄養が整わない可能性があります。ということは当然卵の中身に影響するでしょう。

 何がいいたいかといいますと今現在、鶏に与える動物性たんぱく質といえば魚の身です。
 でも、これってもちろん高い。植物性たんぱく質の大豆粕なんかと比べてもかなり高い。おいそれとは食べさせられない農場がほとんど。
 特に大手はコスト削減の意味合いからもなるべく使いたくありません。また、とりあえず、たんぱく質さえ与えていれば鶏は卵は産みます。

ここからがポイント。

 最近、よく植物性飼料のみで作った卵ってありますよね。イメージでいくととっても健康そうだし。ついついこの銘柄を選んで購入される方も多いのではないでしょうか?

 実はこれ、メーカー側の卵を販売するための一つの戦略です。

 生産者サイドから考えると卵の生産コストを下げるためには植物性飼料のたんぱく質を与えた方が安上がりです。そんでもって買う方のイメージも良いとなれば誰でもすぐに真似をするでしょう?
 
 つまり、安く作った卵を高く買わされている可能性が高いのだ(汗)

 実際、卵ってほとんどたんぱく質で出来てますよね。
  
 だから、鶏が雑食性ならばとうぜん餌も雑食性のことを反映して与えないと本来の卵の風味やコクって出てこないはずなのです。

 そして、その1で書きましたが旨味成分ってアミノ酸でしたよね。
 
 だから、餌として食べるたんぱく質が動物性と植物性のバランスが取れてないと当然中身の旨味成分にも影響が出てくるという理由です。
 すると植物性飼料のみで作った卵が卵本来の旨味や風味を持っているかというと私的にかなり???です。 
 
 後は食べている人の味覚の問題なので何とも言えませんが。

 


© Rakuten Group, Inc.